トレチノイン・ハイドロキノン治療3

皆様おはようございます。

本日は美子スキンクリニック 診療日しております。

明日23日(金)は祝日なので、クリニックは休診日です。お気を付け下さい。
また、明後日24日(土)は通常通り診療をおこなっております。

ここ数日、トレチノインハイドロキノン療法を説明しています。
本日も続きです。

スライド5
ハイドロキノンの濃度

  • ハイドロキノンは通常は2~5%の濃度で外用剤として1日1~2回使用する。
  • 欧州では化粧品での使用を2%以下に制限している。
  • 米国においては、一般向け(OTC)に2%、医家向けに4%の濃度で使われている。
  • 本邦でも2001年より、ハイドロキノンを配合した化粧品が製品化されており、1~2%で配合されている。
  • オバジニューダームシステムでは3番、5番に4%ハイドロキノンが配合されている。
  • ハイドロキノン製剤はトレチノインに比較すると保存時の薬剤安定性が高いものの、酸化され着色しやすい。

上記のように、一般の化粧品に含まれている濃度は2%以下
クリニックでは4~5%のものを使うことが多いです。

本来はクリニックで使用する濃度に上限はありませんので、作ろうと思えば
10%でも20%でも可能といえますし、昔は米国で10%のハイドロキノンが使われていたこともあります。

しかしながら、これほどの高濃度のハイドロキノンになると美白効果よりデメリットの方が目立ってしまうのですね。

  • 刺激感
  • 赤み
  • 炎症および炎症後色素沈着を生じる

といった、炎症所見を生じ、その結果かえって色がついたという症例が相次いで報告されました。
その反省を踏まえて
現在では多くても5%まで野配合になっています。

ハイドロキノンの酸化、着色について言及していますが…
そうなのです、ハイドロキノンは酸化すると黄色く(茶色く?)変色してきます。

もともと刺激のある物質ですから、酸化をするとますます強い刺激性を示すことは想像に難くないですよね。

こちらの写真をご覧ください。

図1

いかがですか? このくらいの色ですとついつい「あ、こんなものだったわね~」なんて使用していませんか?

実はこれ、封を開けて半年ほどたったハイドロキノンの写真です。

一見、ちょっとクリームがかっているけれど大丈夫そうだわ…なんて
思う程度の色ですよね。





では、新品と比べるとどの程度変色しているか




図3

きゃ======
左側の新品と比べると、思いっきり変色していますよね。
(これらの写真は以前もブログで出したことがありますが、おさらいです)

やはり、あまり古いものは使わない方がイイですね。

トレチノイン、ハイドロキノンで治療を行っていると、なんとかして
反応期の赤み、ゴワゴワ、ヒリヒリを軽減できないものか考えてしまいます。




そこで、現在取り組んでいるのがオリジナルハイドロキノンの作成♪



現在はまだ、テクスチャーとか、より効果的な美容成分の組み合わせとか
あれこれ試行錯誤中ですが、その中の実験のひとつ。

写真(286)
左からA社、オリジナル、B社の製品です。

常温保存、遮光なしという、ハイドロキノンが酸化しやすい条件で
経過を見はじめて1週間。

真ん中のオリジナルだけが白くって、他の2社製品はクリームがかって
来ていますよね。
たった1週間の経過で、A,B社ともにこれだけ変色することが逆に意外でした。(本当は半年ほど放置しての変色具合を比較しようと思っていた)

それぞれ、どのくらい変色するのか、このまましばし放置したいと思います♪




上手く配合が決まれば、治療に大きな利点を与えられるのではないかな
っと思っています。

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