ニキビ治療 新しい薬・過酸化ベンゾイルが出て3か月経過しての感想

 

皆様こんにちは。今日も暑い一日…と言っても、昨日の天気とは一転、曇り空&湿度の高い不快な天気ですね。

湿度が高いと、肌も潤うのである意味美容には向いているかと思いますが、

それでも高すぎる湿度は困りものです…

 

さて今日は、4月1日に新しいニキビ治療薬「ベピオゲル」が登場してからの、使用経験などをお伝えしていこうと思います。

 

ニキビ治療に新薬が登場して、これで日本のニキビ治療もようやく他の先進国に並んだといえます。

治療を大きく分けると3つ

1)レチノイド製剤(ディフェリンなど)

2)過酸化ベンゾイル(ベピオゲルなど)

3)抗生剤(外用:ダラシン、アクアチム 内服:クラビット、ファロム、ルリッドなど)

 

それぞれの特徴は

1)レチノイド製剤… 皮膚のターンオーバーを正しいサイクルに調整する。その結果、毛穴のつまりを取る&作らなくする、ピーリング効果

2)過酸化ベンゾイル…消毒薬に近い 殺菌効果軽度のピーリング効果

3)抗生剤…静菌あるいは殺菌効果 アクネ菌の増殖を抑える

 

この3つを考えると、一見

1)+3)=2)  というようにも感じます。

 

これは、10代~20代に前半に多く見られる、アクネ菌が悪さをし さらに 皮脂の分泌が多い世代においては、よさそうです。

 

けれども

20代後半以降の女性に多く見られる、あまり腫れていないニキビに関しては、当てはまらないと感じています。

そもそも、20代後半以降のニキビは、若いころのニキビと異なり皮脂のつまりやアクネ菌によるもの…というより、化粧品のかぶれだったり外的な刺激から生じているものがほとんどといえます。

そうすると

そもそも刺激を受けている肌に、過酸化ベンゾイルを外用することによって(消毒薬を塗るようなものですから)、かえってかぶれの症状を引き起こしたり、乾燥によって肌荒れを起こしたりする可能性もあります。

また、

過酸化ベンゾイルが殺菌力を発揮するのは、肌に塗った後で肌の上で過酸化ベンゾイルが酸化し、フリーラジカルを発生するからで、これって、私たちが老けにくい美肌を目指す時に大敵にしている 酸化と活性酸をわざわざ塗っているようなものです。

 

一方、1)のレチノイン製剤は肌のターンオーバーを正しいサイクルにし、肌の調子を整える薬ですから

美肌のためには、こちらの方がお勧めと考えています。

 

そんな訳で、当院では皮脂分泌の多い世代・肌質の人には 1)~3)の処方を

大人ニキビの方には1)を中心とした処方を行っています。

 

例外:背中のニキビは2)が第一選択になる場合があります。

 

 

話はそれますが、過酸化ベンゾイルは消毒薬のようなものですから…たまにかぶれる方がいます。

当院でも、4月の処方以来2人、かぶれた方が出ています。

抗生剤の使用を減らすことができ、耐性菌を作らないうえでとても良い薬なのですが、

このかぶれを起こすという点だけが、懸念材料です…

過酸化ベンゾイル,かぶれ

 

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