皆様こんにちは。
本日も秋田のAdeBクリニックで診療を行っています。
今日は、診療内容を限ってになっておりますが、シミの相談や肌質改善相談などはお気軽にいらっしゃってください。
実は、昨日から私テンションが高いんです!!
昨日ハイドロキノンの原料会社の方とお話をして、より効果的なハイドロキノンの処方に関する大きなヒントを頂きワクワクしているところです。
今日はそんなテンションが高いまま、ハイドロキノンについて熱く語っていきたいと思います!
美白成分ハイドロキノンとは
ハイドロキノンは古くからある天然成分で、イチゴ類・麦芽・コーヒー・紅茶などにも含まれています。
昔は、日本でも化粧品成分として配合されていましたが、昭和30年代に使用が規制され、
その後の日本においては、医師が院内処方で使用することができるのみとなっていました。
2001年に規制緩和で化粧品成分としての配合が再び可能となりましたが、
それでも、後述するように化粧品成分としての配合の難しさの点からあまり一般には広まっていません。
他の美白剤とどう違うの?ハイドロキノンが優れている訳
ハイドロキノンは、現在使用できる美白成分の中で最も効果的と考えられ、美白効果はビタミンC(アスコルビン酸)、アルブチンやコウジ 酸の10倍から100倍と言われています。
ハイドロキノン以外の多くの美白成分は、シミの原因であるメラニンの合成を阻止するか、
チロシナーゼ酵素の活性を抑える働きのある成分です。
新しいシミを作らなくすることにはとても効果的ですが、すでに発生したメラニンを取り除くことはできません。
それに対し、ハイドロキノンはできてしまったメラニンを還元し取り除く効果もあると言われています。
でも、ハイドロキノンの美白効果が特別良い訳はそれだけではありません。
効果的な理由は2つあると考えられます。
1)皮膚表面に塗った時に効いてほしい細胞までの浸透がよい
2)チロシナーゼ活性阻害にダイレクトに効く構造体
ハイドロキノンとその誘導体(ハイドロキノン+αで、体内で代謝されてハイドロキノンになる)であるアルブチンを比較するとわかりやすいです。
ハイドロキノンの構造式は
一方、アルブチンの構造式は
*いずれもWikipediaより
何も余計なものが付いていないハイドロキノンの方が皮膚表面に塗った時に皮膚へ浸透しそうですよね。
そして、吸収された後ハイドロキノンはダイレクトにチロシナーゼ活性阻害効果を発揮します。
一方、アルブチンは吸収されたのちに、効果を発揮する形へと変換されなければなりません。ところが、この変換、100%行われる訳ではないのです。
ですから、例えばアルブチンの吸収がハイドロキノンの10%、変換率が50%だとすると
ハイドロキノンが100吸収される → 100 チロシナーゼ活性阻害効果 → 100効く
アルブチンが10吸収される → 10のうち5がハイドロキノンへ返還される → 5 チロシナーゼ活性阻害効果 → 5効く
こうなると、効果が20倍異なることになります。
他の美白剤も同様です。
効果が良い成分なのに、ハイドロキノン配合化粧品が少ない訳
冒頭でも書きましたが、2001年に規制緩和にされて以降は、ハイドロキノンは化粧品成分として市販されている化粧品にも配合することが可能になっています。
それでもなお、一般化粧品としてあまり目に触れる機会が無いと思いますがなぜか?
実は、ハイドロキノンは化粧品として致命的な欠点を2つ持ち合わせているからです。
欠点1)刺激が強い成分で、かぶれる人がいる、アレルギーを持つい人もいる
欠点2)安定性が悪く、すぐに酸化して変色してしまう
化粧品は不特定多数の方に使用することが目的です。
ですから、刺激が強くてかぶれる成分、ましてやアレルギー反応を示す人もいる成分は非常に配合しにくいものといえます。
実際に当院でも100人に処方すると1~3人ほどはかぶれを生じるなという印象がありますが…化粧品の世界ではこんな高頻度にかぶれたりアレルギーを起こすなんてありえません!!
そして欠点その2! 酸化してしまう=変色してしまう だけでなく 効果が無くなる&刺激がより強くなる
一般的な化粧品の製造において、一度に少なくとも1000個以上作ることになります。誰もが知るような大手の化粧品メーカーでは、もっともっと数万~数十万個を一度に作ることだってあります。
そして、製造されたものは各種検査を経てまずは販売元へ。そこから各小売店へ。いつでも在庫があるように倉庫へ…と運ばれていきますから、通常の化粧品では3年間は品質が安定していることを求められます。近年、ハイドロキノンも安定型の原料が出てきていますが、それでも3年間品質の安全を担保することは非常に困難です。
出来ればハイドロキノンは作られてから3か月程度で使い切ってほしい…皆様のお手元に届くのが、製造から2か月経過したものであれば、使用できる期間が1カ月しかない。それでも、ふたを開けて空気に触れればそのたびに劣化していく…
という、難しい成分なので、当院では院内で製造し1回に作る量を30本程度にして随時新しいものを準備しています。
ちなみに、ハイドロキノンが酸化してできるベンゾキノンという成分は刺激が強いので、変色(クリーム色~茶色がかっている)したものを使用しないようにしましょう。
当院で処方されたハイドロキノンも、購入から3か月以上経過したものは、お使いにならないようご注意ください。
ハイドロキノンの効果と濃度・かぶれの関係
さてさて、ハイドロキノンに関してもっともっと進んでいきますね。
ハイドロキノンの美白効果は濃度依存性です
つまり、
ハイドロキノン1% < 5% < 10%
濃度が高くなるほど、シミやくすみは改善します。
一方、かぶれを生じる(刺激の強さ)も濃度依存性です。
かぶれると、炎症後色素沈着 を生じますので、
シミを取りたくて濃い濃度のハイドロキノンを使う → かぶれる → 炎症後色素沈着を生じる → より濃いシミになる
っという悪循環に陥りますので、ハイドロキノンの濃度は5%までの方が安全だといえます。
かぶれにくい&効果が高いを両立させるカギは「徐放性」
「濃度が高い」ほど「美白効果も高い」ハイドロキノンですが、同時に「濃度が高い」ほど「刺激性が強くてかぶれる」ことも事実です。
このジレンマを解消するために、近年研究が進んでいる方法が「徐放性」
なぜなら
ハイドロキノンが刺激性があるのは(注意:ここからは原料メーカーの研究開発者と私のディスカッションによる推測です)
1)皮膚の上に残っているハイドロキノンが刺激がある
2)細胞内へ浸透していく際に濃度依存性に刺激がある
この2点の理由からではないかと推測しています。ですから、
① 肌の上に余分なハイドロキノンを存在させない
② 細胞内へ浸透する量をコントロールする。具体的には単位時間当たりの浸透量を減らす
①②が可能となれば、刺激性はぐっと減るはずです。
10%ハイドロキノンを塗っても、すぐに細胞に全部は浸透しません。
例えば、10%ハイドロキノンの 単位面積当たりの成分を100とします。皮膚に塗ったとたんに100すべてが皮膚の上に存在します。
30分で10ずつ浸透するとしたら全部浸透し終わるまでに5時間かかります。でも、その5時間の間、皮膚の上に残っているハイドロキノンがずっと皮膚を刺激し続けます。しかも、ハイドロキノンは空気と触れたとたんから酸化し始めますから、100の成分のうち、浸透する前に酸化して刺激物質のベンゾキノンに変化するものも見られます。
ですから10%ハイドロキノンを使用しても、浸透途中で酸化して美白効果を示さないのであれば5%ハイドロキノンで十分といえます。
話を元に戻します。
では、徐放性とはどう違うか。
通常2%ハイドロキノンであれば、単位面積当たり20の成分が皮膚の上に存在することになります。ところが徐放性であれば、その20を5分当たり1個ずつ放出することが可能です。
すると、先ほど30分当たり10ずつ浸透する…と仮定しましたが、同じ条件では、30分で6成分しか放出されない訳ですから、全て直ちに浸透することが可能です。皮膚の上にハイドロキノンは残りませんので、酸化することもありません。20あった成分が1時間40分をかけてすべて吸収されるという訳です。
注意:数値や計算はすべて仮定です。実際に実験したわけではありません。
まとめると
10%ハイドロキノンはその成分の半分も吸収されないうちに皮膚の上で残ったものが刺激物質に変化している。
徐放性2%ハイドロキノンは、その成分全てが時間をかけて吸収され、皮膚の上に残らない。
もしかすると、吸収された成分量はさほど差が出ていないかもしれない
と仮説が立てられます。
そろそろ、長くなりましたので今日はここまでとします
長文及び、訳の分かりにくい話にお付き合いくださり、ありがとうございます (*^^)v
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AdeBクリニック 院長 小原美子
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