トレチノイン 基礎講座
皆様おはようございます。
本日、美子スキンクリニックは診療を行なっています。
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また、ラジオ出演に伴い15:00~15:30の診療をおやすみしますので
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トレチノイン基礎講座1
なかなか書き始められなくてお待たせしました。
今日は、トレチノインとは何かについてお話しようと思います。
化粧品に配合のレチノールなどをはじめ、レチン、レチノイン酸など
似たような名前を聞いたことがありますか?
実はこれは、仲間の物質ではありますが、物質名と商品名が混在している
状況です。
物質としては、レチノイン酸が活性が強くレチノールなどとは100倍ほど
の開きがあります。
(ちなみにレチンは商品名)
そして今回の話題、トレチノインとは
トレチノイン=天然のレチノイン酸の一種です。
そしてそのレチノイン酸は何かというと
ビタミンA誘導体、わかりやすく言うと ビタミンAが酸の形になっているものです。
おさらい
トレチノイン=ビタミンAが酸にになっているもの
トレチノインの歴史は古く、1955年にアメリカで合成され、シワやシミ、
ニキビの治療薬としてFDAに認可されており、現在もレチノイン酸療法として
美容領域で行われています。
しかも、このトレチノイン、ビタミンだと思って侮るなかれ
とても 効果的な物質なのです。
なんと急性骨髄性白血病の一つ「急性前骨髄球性白血病」の治療薬なのです。
白血病の治療薬というと、「すごく強くて怖い薬」と感じる方もいるかもしれませんがご安心ください。
美肌、シミ、シワ治療の原理も白血病の治療の原理も似ていて
「未熟な細胞を成熟細胞に分化させる」能力がトレチノインの効果なのです。
つまり、白血病の治療においては
未成熟な白血病細胞を成熟白血球に誘導することにより正常な白血球と同じ成長の経過をたどらせることで白血病細胞を正常細胞に分化させるのです。
このことから、この薬剤を使った療法は、「分化誘導療法」と呼ばれています。
一方、皮膚の治療としても
ターンオーバーが乱れている、あるいは遅くなっている肌、未熟な有棘細胞に対して
正常な分化を促すことによって成熟した表皮中の有棘細胞(ケラチノサイト)に誘導することにより、美肌効果を発揮するということがいえます。
加えて、トレチノインには不要な角質を剥離させる作用もありますので
トレチノインによる美肌治療を始めると、最初の2週間ほどボロボロと
皮がむけるといった次第です。
この皮がむけるという作用により、臨床的には「皮が剥けて皮膚が薄くなった」と
感じられることが多いのですが、
実際は、
不要な角質が剥がれ落ち、その後は表皮の有棘細胞はしっかりと成熟した
細胞へと変わるので、むしろ表皮は厚くなりしっかりとした張りのある
皮膚へと変化をしていきます。
さて再びおさらいです
トレチノイン=細胞のターンオーバーを正常化させ成熟した表皮細胞に分化させることで美肌効果を発揮する