トラネキサム酸の美白効果に関して・その2

皆様おはようございます。

本日は美子スキンクリニック、通常通り診療しております。

6月の臨時休診は

6月27日(木) 美子スキンクリニック休診 天神下皮フ科形成外科勤務
となっております。



今日も15-16日の日本皮膚科学会総会の一枚。

こちらは企業展示ブースなのですが
場所は、3週間前に参加した化粧品学会と同じ
みなとみらいの パシフィコ横浜
写真(613)

最近、AADだったり、化粧品展示会などの大規模な展示会に
見慣れてしまっているので、皮膚科学会が残念ながら
小規模に感じられてしまいます。

来週は、東京ビックサイトでの
第4回化粧品開発展ですから、より規模が大きく
活気あふれる会場となっているであろうことが予想され
今から来週が楽しみでなりません。

トラネキサム酸の美白効果・その2

昨日に引き続き、今日は学会で学んできた
トラネキサム酸の美白効果に関する最新の研究から。

トラネキサム酸がなぜ美白に効果を発揮するかという議論は
以前からなされてきました。
一般的に美白効果を示す「チロシナーゼ活性阻害」などの効果が
トラネキサム酸にはないからです。

そう、トラネキサム酸は「プラスミン阻害作用」という作用しかありません。

そのプラスミン阻害作用が、メラニンを抑えるのではないかと
とある論文で結論付けられていて、他の実験系もすべてこの論文を
孫引きしていますが、なぜプラスミン阻害作用でメラニンがおさえられるかと
深く追求できていないのが現状です。

今回、山形大学の実験では、本当にトラネキサム酸が
メラノサイトからメラニンが作られることを抑制するのか? といった
実験のお話から始まりましたのですが、驚きの結果は

なんと、
トラネキサム酸はメラノサイトからメラニンが
作られるのを抑制していない。

(コントロールとメラニンの作られる量が同程度だった)

え~~~、じゃぁ何故シミが薄くなるの??

その疑問に答えるべく、次の実験のお話でした。
2番目のこの実験で、
メラノサイトで作られたメラニンを、表皮の他の細胞が
取り込むことを阻害し、シミが薄くなるのではないか。

という、仮定まで現在たどり着いたところのようです。

この先の実験を行っていくうえで、kyeになるのが
マウスを使った動物実験。

そもそも、シミを持つマウスって存在するの??
なんてところから始まり、
シミができるマウスを育て開発するのに現在まで2年
ある程度めどが立ってきて、実際の実験にうつれそうに
なるまでさらにあと2年ほど・・・だそうです。

気の遠くなるようなお話ですよね。

一つの事柄を検証していくだけでも、5年以上の長きにわたって
研究がなされるわけです。


話を元に戻して、
今回2日にわたってトラネキサム酸のお話をしましたが

結論 としては

トラネキサム酸はメラニンが増えることを抑制する
その結果、シミは薄くなると考えられる。

です。

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