トラネキサム酸の美白効果に関して:皮膚科学会総会

皆様おはようございます。

本日は美子スキンクリニック、通常通り診療しております。

6月の臨時休診は

6月27日(木) 美子スキンクリニック休診 天神下皮フ科形成外科勤務
となっております。

先日の日本皮膚科学会の出張の際、空の上から見えた
帯状の雲。

梅雨前線?

矢印で示したところで、
本当にきれいに一直線に分かれ、手前では厚く
どんよりとした雲が。
その向こうは、青空の合間に雲が浮かんでいる感じ…

この日、秋田は初めのうちは快晴で、東京の方は雨が降って
いましたから、きっと梅雨前線とか、何らかの前線ラインが
このような雲の辺縁として見えたのかな?? なんて思いました。

トラネキサム酸の美白原理

学会会場の中でひときわにぎわっていた講座がありました。

「トラネキサム酸の媚薬効果について」

写真(610)
注意:個人情報保護の点からわざとぼやかした加工をしました。
会場内、立ち見が出るほどの超満員。
実際にも、山形大学の先生が現在研究中の話などを
お話してくださり非常に興味深く聞くことができました。

そんな学会で勉強した内容に入る前に、少し説明をすると
「トラネキサム酸」という、内服薬を肝斑の治療用として内服する。

そう、トラネキサム酸内服=肝斑が薄くなる ことを目的とした処方です。

内服方法としては

  • 1日750mg~1500mg
  • 1日2~3回に分けて内服

薬として処方できるもので、医師の監督のもと
処方するのであれば内服に期限はありませんが

この薬、同じ成分のものが市販薬としても発売されており
そちらは8週間で一度内服終了となっています。

なぜ8週間で一終了かというと、

一般薬として発売するにあたり、
より安全にご利用いただける
使用方法を検討した結果、
かなり多くの方が2ヶ月以内に
改善効果が表れたという
開発段階での試験結果から、
効果を確認する目安期間は2ヶ月が
ふさわしいと考えたからだそうです。

2か月以上内服できないのではなく、
2ヶ月で、効果の確認と継続の見直しをするための
一端の区切りと考えていただいた方が良いようです。



話は元に戻して、

では トラネキサム酸には美白効果があるのかどうか? 
というところです。

内服により、「シミは薄くなった」という結果は出ています。

飲んでも変わらなかったわよ…と思われた方。
少し解説を加えると
シミが薄くなるためには2段階の治療経過がかかわってきます。

  • ①現在ある表皮、角質内のメラニンがターンオーバーによって剥がれ落ちる
  • ②新しく作られるor供給されるメラニンが減る

この2段階を経て、初めてシミが薄くなります。

トラネキサム酸を内服すると②の効果でシミが薄くなるので
①の剥がれ落ちるがうまくいっていないと一向にシミは薄くならないと
感じられると思います。

その
②新しく作られるor供給されるメラニンが減る…について、
長くなりましたので、また明日続編でお伝えしたいと思います。

お楽しみに♪

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