皆さまこんにちは。
本日も秋田のAdeBクリニックで診療を行っています。
通常通り、診療を行っていたのですが、朝から顔や体がかゆくって…さらには顔が腫れてきた…尋常ではない痒さでした。
顔がかゆいので、メイク用品が合わなかったのか?〔毎日同じものを使っているのに)、それとも美白美肌治療のリペアの影響か?(ここ1週間ぐらい使用しているのでなんで今更&塗ってもいない耳までかゆい?)なんて思っていましたが結論は蕁麻疹!
その症状が、リペア治療をしている顔に一番出たというところです。
抗アレルギー剤を内服して、30分ぐらいでかゆみはおさまってきたので「さすが、薬は効くわね!」なんて感じていますが、今日の蕁麻疹、予想外の食べ物で生じていますので、今日はせっかくなのでこのことについてお伝えします♪
普段食べなれているもので蕁麻疹? そんなことがあるんです
食べ物での蕁麻疹…というと、皆様アレルギーを持っていると考えがちですが、実は原因はアレルギーだけではありません。
一般的に多いのはもちろんアレルギーによる蕁麻疹です。
日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会のサイトによると卵、牛乳、小麦粉などが原因の6割以上を占めているそうです。
よく見ると、サバを食べて蕁麻疹が出た…とよく言われるサバはどこかしら?全体の中では魚類として4%しか原因物質になっていませんし、魚類全体で4%ですからサバだけだったらもっとアレルギー源としての割合が低いと考えられます。
それでも、サバアレルギーと思っている方は多いですよね。 その実態は
サバで蕁麻疹はアレルギーではない?!
実は、サバなどの青魚を食べて蕁麻疹が出る場合、食物アレルギーではなく別のタイプの蕁麻疹であることが多いのです。おそらく、本日私がかゆみに悩まされたのもこちらのタイプ。
蕁麻疹の素を食べたようなもの 仮性アレルゲン
蕁麻疹が起きるのは、そもそも体の中でヒスタミンというかゆみ物質が増えるからです。アレルギータイプは、アレルゲンとなる食べ物を食べたら、体が反応してヒスタミンを作ってしまうから蕁麻疹が出ます。一方、食べ物の中にはそのヒスタミンを最初から多く含むものがあります。つまり、じんましんの素をたくさん含む食品ということです。健康な人でも、ビールで身体にブツブツができる、たけのこのあく抜きが不充分でノドがイガイガする、トマトやしょうゆが皮膚について赤 くなるなどご経験があるのではないでしょうか?
このように、食品にヒスタミンが多く含まれていて、じんましんなどを生じるものを仮性アレルギーといいます。そしてこの反応を起こすものが仮性アレルゲンなのです。
では、どういったものがヒスタミンを多く含んでいるか?
発酵または醸造食品
パルメザンチーズワイン、ビール、みそ、しょうゆ
野菜
トマト、ほうれん草、なす、やまいも、エノキダケ、まったけ、タケノコ
肉類
牛肉、豚肉、魚介類 とくに さば、マグロ、イワシ
果物
バナナ、パイナップル、キウイ、いちご種実、ピーナツ、アーモンド
その他
卵白、チョコレート サラミソーセージ
結構、普段食べているものに意外とヒスタミンが多いことが分かります。毎回食べるとかゆいのではなく、たまたま口にしたその個体にヒスタミンが多く含まれていたというケースも多々あります。ネットで検索するとあれこれ出てくるので、気になる方は探してみてください。
そして今日の私の蕁麻疹の原因は なんと「豚肉」
大好きなので、毎日のように食べていますが、蕁麻疹が出たのは初めてです。
でも、よく考えると…昨日の夕食で豚肉(昨日、仕事が終わってから買いに行った鮮度の良いもの)でお鍋を作り…1時間ぐらいでなぜかお腹が下り…今朝も残っていたお豆腐と豚肉を軽くつまんで来たら また同様にお腹が下り… その後耐えられないくらいの顔の痒さ+体の痒さ。
きっと、豚肉が悪いのではなく、私が食べた「その豚肉」が何らかの形でヒスタミンを多く含んでいたか、ヒスタミンに汚染されていたという事ですね。
ヒスタミン中毒という症状を引き起こすこともある
食中毒の一つで、ヒスタミン食中毒の原因は、ヒスチジン脱炭酸酵素を有する菌(ヒスタミン産生菌)によるものです。
保存温度が不適切な場合や長期保存した場合、食品中で菌が増殖しアミノ酸のヒスチジンをヒスタミンに変えることによって起こることが知られています。特にヒスチジンは、マグロ、イワシ、サンマなどの青魚(赤身の魚)に多く含まれていることから、原因食品のほとんどは魚介類です。
ヒスタミン産生菌の代表としてはモルガン菌(大腸菌群の一種)があり、アレルギー様食中毒の原因となっている。
実際の中毒例では
社員食堂で昼食を食べた73名のうち36名が、発疹、頭痛、顔が赤くなるなどの症状が出て、16名が入院しました。患者全員が「カジキの照り焼き定食」を食べており、検査の結果、カジキの照り焼きから高濃度のヒスタミンを検出しました。
この食堂では仕入れたカジキを冷蔵保管していました。また、カジキが食堂に届くまでの流通時や、カジキを切り身にした加工施設でも、10℃以上に長時間置かれることはありませんでした。食堂でカジキを調味液に漬け込む間又は冷蔵保管中に、ヒスタミンが生成・蓄積したと考えられました。
食中毒の原因となったカジキと同じ材料を仕入れた別の食堂で検査したところ、カジキのヒスタミン量は少なく、食中毒は起きていませんでした。この食堂ではカジキを冷凍保管していました。
などが報告されています。
アレルギーではなくっても、普段食べなれた食材でもこのような症状が起きることがあるので、注意が必要ですね。
顔に美容施術を受けた日は要注意
諸外国に比べて、魚を食する習慣のある日本では、ヒスタミン食中毒を起こす機会は多いと考えられますが、食品中のヒスタミンは法規制されていませんし、スーパーなどの売り場でもヒスタミンを測定してから販売しているものはほとんどないと言えます。
さらに、ヒスタミンは熱で分解されにくいため、加熱処理により菌は死滅したとしても、一度産生、蓄積されたヒスタミンを取り除くことがほとんどできません。また、腐敗により 産生されるアンモニアなどと違い、外観の変化や悪臭を伴わないため、食品を喫食する前に汚染を感知し回避することは非常に困難です。
蕁麻疹などは、刺激を受けた場所に出やすいですから、美容施術を受けた日に予想外の蕁麻疹でかきむしってかえって色素沈着をおこしてしまう…なんてことを予防するためには、食べ物に気を付けることが大事、特に、食べなれてアレルギーが無いと言っても蕁麻疹を引き起こすことがあるお魚は控えた方が良いと言えます!